晝は夢 夜ぞうつつ

本と、夜の考えごと

芸術家が一番スゴい

芸術が愛しい

芸術はスゴい。

それは絵かも知れない。
音楽かも知れない。
文章かも知れない。

演劇もファッションも、
哲学もアートだが、
共通するのは世界観だと思う。

自分の世界があって、
自分なりの表現があって、
それを誰かに抑制されていないことだ。

創造する事の意義

普通に生きていると消費して生きる事が殆どで、
創造する作業というのはとても少ない。

何かを作り出すと言っても、
既にあるものをコラージュする様な事を創造とは言わない。

彼らが創造するまで、
そこはゼロであり、無であり、
または常識という名の混沌で埋まっていたりする。

芸術家は彼らの世界観を物理的に、
そして精神的に誕生させる事に大変意義がある。

我々大衆が生きる世界というのは
支配者によって意図された操られた世界であったり、
集団の動きに流され、
無意味な価値観を信じ込まざるを得ない世界であったりするからだ。

支配者にとって、芸術家は弾圧したい存在であると言えよう。

内なるアートはアートと呼ばない

芸術は世界へ、
すなわち自分以外の他者のいる空間に放出して初めてアートである。

表現するということは、
他者から賞賛される事もあるが批判される事も多かろう。
また、多くは見向きもされない、興味を持たれないのである。

だが、それによって生み出す事がつらくなったり、
やる気がなくなったりするのは芸術家とは言えない。

それはサラリーマンの様である。
給与がなければ働く意義を見出さないのだから。

興味を持たれないアートを生み出しても尚、
確固とした世界観に包まれているのが芸術家である。

芸術を定義すべきでない

だから、芸術はスゴい。
だから、芸術家がスキなのだ。

だが、芸術を定義すべきではないと思う。
芸術は世界だから。

そこに転がっている靴下も、
終電の混沌としたなまぬるい空気も、
芸術であるかも知れないもの。

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「終電」

空気感よどみ
喧噪こだまし

細胞に支配されし人間
意識を置き去りにした生物

浮足立って
頬染めて

渦巻く恐怖
エンターテインメント強烈

苦しい記憶
夜の気配に消して

喉たちが火照る
通り過ぎてゆく温度