晝は夢 夜ぞうつつ

本と、夜の考えごと

言葉にしない事による可能性

言葉にしないという選択は大きな意味を持つ。

言葉にしないと伝わらないが、
伝えてしまった瞬間に可能性の多くが闇へ消える。

あらゆる可能性を想像することが出来るのを知っていて。
想像を禁止することは出来ないことを知っていて。
無限の可能性を禁じない境界線を彷徨う空間は楽しい。

言わないから、美しい。
言わないから、あやうい。

言葉にするという事は、
その瞬間を確定させるが、
その先の可能性を狭める危険性を孕んでいる。

我々は悩む。

言った方がいいのか、
言わない方がいいのか。

そんな時は心の中で唱える。

本当に声に出してしまっている様な錯覚に陥るくらい
何度も何度も、可能性の中で伝え続ける。

意識の一部が重なって、
意図した思いが伝わったとしても
言葉にしていないという事実は変わらない。

それは、暗黙の了解。
意識を共有するという事。

何も起こらない現実の中で、あらゆる可能性が同時発生している。
君はそれに気付くだろうか。

言葉というのは強烈なツール。
味方につけるか、敵に回すか。

君は何を確定させたい?
現実を揺り動かしたい程の可能性のみ選択しよう。