北極星がいなかったから。
君はずっとそこにいたんだね。
北極星はいつもそこにいるはずなのに
いると思って同じ場所を見てもいなかったから。
だから、悲しかった。
もう探すのも、
その場所へ向けて視線を移すことすら
やめてしまったの。
君がずっとそこにいるなんて
思ってはいけなかったんだね。
君がずっとそこにいたなんて
思ってもみなかったんだ。
なんでそこにいるの?
ポカンとした顔で呟いたら、
全部バカみたいな出来事に思えてきた。
君がそこにいるのは
「なんで?」
も
「かんで?」
も
なくて。
ずっとそのカーテンが揺れるのだけ見てた。
そのカーテンの後ろで
君が手を合わせているのなんて
たったの今まで知らないままで。
そんなことばっかりだよ、
人生。
探してもいなかったのに、
なんで君はそこにいたんだろ。
なんで僕はそのカーテンの先にいたんだろ。
君に伝えたかったことなんて
伝えないと死ねないくらいの大事だったのに
なんだかもう
「わかんないね」
って
笑ってたら消えてしまったね。
結局僕の任務はなんだったんだろう?
「わかんないね」
って
笑ってほしい。