晝は夢 夜ぞうつつ

本と、夜の考えごと

対岸のシンクロ

特定の人物と会うと必ず起きる現象。

その中に居る時、いつも思い出す。

だけどその中から外れると、

いつかどこかで読んだエッセイの様に現実味がない。

それはいくつもパターンがあって、

だけどどれも、また帰ってきたいという感覚が残る。



人ではなくても、

場所や匂い、店や食べ物など

「はっ」とする瞬間がないか。



それは一方通行でありながら、

感じ取った瞬間に共有される何かがあり、

ストーリーが繋がった後に

突然想起したりするものだ。



人は生まれる時も死ぬ時も孤独。

生きている今も、誰と居ても孤独。

そんな当たり前な事を内包出来ずに、

孤独を対岸の火事にしてしまっている。



対岸に居るはずの誰かと目があった時。

背中が突然熱くなる。

火花が目の前を通過する。

振り返って叫ぶともうそこには居ない。



孤独に気づくのは

いつも誰かと目があった時なんだ。



ため息をついても

果たして自分がどんな顔をしているか分からない。

いつも君を対岸に残すからだと知りながら、

「もどかしい」と敢えて声に出す。