晝は夢 夜ぞうつつ

本と、夜の考えごと

北極星がいなかったから。

君はずっとそこにいたんだね。


北極星はいつもそこにいるはずなのに

いると思って同じ場所を見てもいなかったから。

だから、悲しかった。


もう探すのも、

その場所へ向けて視線を移すことすら

やめてしまったの。


君がずっとそこにいるなんて

思ってはいけなかったんだね。


君がずっとそこにいたなんて

思ってもみなかったんだ。


なんでそこにいるの?

ポカンとした顔で呟いたら、

全部バカみたいな出来事に思えてきた。


君がそこにいるのは

「なんで?」

「かんで?」

なくて。


ずっとそのカーテンが揺れるのだけ見てた。

そのカーテンの後ろで

君が手を合わせているのなんて

たったの今まで知らないままで。


そんなことばっかりだよ、

人生。


探してもいなかったのに、

なんで君はそこにいたんだろ。

なんで僕はそのカーテンの先にいたんだろ。


君に伝えたかったことなんて

伝えないと死ねないくらいの大事だったのに

なんだかもう

「わかんないね」

って

笑ってたら消えてしまったね。


結局僕の任務はなんだったんだろう?


「わかんないね」

って

笑ってほしい。