晝は夢 夜ぞうつつ

本と、夜の考えごと

「それ」との邂逅

いつか「それ」が起きるのだろうなと
心ではないどこかで予感している

ーーー

予感というのはそう

遠い昔の思い出を懐かしむような

実際には経験していない
おばあちゃんちの温もりを思い出すような

そうだったなあ、なんて
ありもしないことを懐かしんでいる

それが予感

ーーー

目の前になかなか現れない
「だれか」を待っている時間は
やきもきしながらも安心している

そして
実際に「それ」が起きた時に
なぜかデジャヴュを感じる

避けようのない事実

なんという愛おしい瞬間

それは絶望にも似ている


ーーー


何をどうあがいても
「それ」は現れるし
どんなに回避しても邂逅する


ーーー


予感は常に確信

根拠がないほど正確である


ーーー

「それ」と邂逅するための技法

それこそが

「晝は夢 夜ぞうつつ」

なんだなあ、と夢の中で呟く


ーーー

夢から夢へ

そのトリップの瞬間が

「それ」との邂逅そのものである