晝は夢 夜ぞうつつ

本と、夜の考えごと

良心をもたない人たち

良心をもたない人たち (草思社文庫)

良心をもたない人たち (草思社文庫)

サイコパスとは


サイコパスというと凶悪殺人犯などを思い浮かべがちですが、
実際は私たちの身近に普通の人(寧ろ魅力的な人)として存在し
彼らの支配と勝利の為に我々の良心を利用されているかも知れません。

性善説を信じる方、
優しくて、思いやりのある方、
自分の考え方がおかしいのかな?と不安になる方、
このような方には特に読んで頂きたいです。

というか良心のある方全員、
自分の身を守る為に知っておいて頂きたい。

サイコパスとは

良心というものがかけらもなく、
どんなことをしても罪の意識や良心の呵責を感じず、
他人、友人、あるいは家族のしあわせのために自制する気持ちがまるで働かない

人生の中で、どれほど自分本位な、怠惰な、有害な、
あるいは不道徳な行為をしても恥をまったく感じない

総じて、良心のない人のことです。

一見魅力的でカリスマ性がある
嘘をついて人をあやつる
空涙を流して同情をひく
追いつめられると逆ギレする
自分にしか関心がなく、退屈しやすい
刺激を求めて「支配ゲーム」に走る
人に依存したがる
チームレイがへた
近視眼的で世間知らず

表紙裏には、
サイコパスの特徴として上記が挙げられています。

サイコパスへの対処

私は元々性善説信者で、
どんな罪人も何かしらの環境要因があるのだろう。
大きな愛に包まれればきっと・・・と考えているような人間でした。

しかし、生まれた時から「良心」そして「愛」が存在しない人いるのです。
これはとてもショックな事実ですが、

1.世の中には文字通り良心のない人たちもいるという、苦い薬を飲みこむこと。

とあるように、この現実を認め、知っておくことがなにより重要です。

全部で13ある、良心のない人に対処するためのルールをいくつか紹介します。

2.自分の直感と、相手の肩書―教育者、医師、指導者、動物愛好家、人道主義者、親―
が伝えるものとのあいだで判断が分かれたら、自分の直感にしたがうこと。

これ、とても大事だと思います。

私もサイコパスであろう人物と出会ったことがありますが、
今思えば直感的におや?と思う点がありました。
しかし、サイコパスは非常に明るく魅力的で優しく、時に涙を流したり感情豊かに見えるのです。
そこでおや?と思っても、いや、そんなことはない、と考えてしまいがちなのです。

9.人に同情しやすい自分の性格に疑問を持つこと。

10.治らないものを、治そうとしないこと。

12.自分の心を守ること。

他人の行動や人生を変えることは出来ないですからね。
ましてや、愛のないサイコパスを変えようなど不可能な話です。

普通のフリをしたサイコパス

恐ろしい事に25人に1人という割合でサイコパスは存在するのだそうです。
ただしこれはアメリカの場合であり、
東アジアではサイコパス率が低く、
台湾では0.03~0.14%との記述があります。

サイコパスは刺激を求め、"勝利"を目的としています。
誰にどう思われたら、などと考えないので
何を思われても落ち込みませんし傷つきません。
勝つためであればリスキーな選択も堂々と行います。

出会ったときは特に恐ろしいこともなく、
寧ろ普通の人よりも刺激的で魅力的に見えてしまうのですね。

サイコパスの犠牲者は、サイコパスについて

「彼女をずっと前から知っていたような気がした」
「彼にはほかの人にないエネルギーが感じられたんです」

と証言するのだとか。

良心は何故、「良い」のか

この本の良いところは、サイコパスの事例や、対処法だけでなく
なぜ、普通の人の持つ良心は「良い」のかにもスポットを当てているところ。

こわいものなしで人を踏みつけてまで勝利を掴み取るサイコパス
権力を持ち、遺伝し、どんどんサイコパスだらけになりそうですが(笑
そうならないのは何故かなど。
良心の良さで締めくくられるところにほっとさせられます。

訳も読みやすく、時々笑えるような皮肉があったり、数時間で読めました。


感想は、
ああ~、良心を持っていてよかった~・・・。

良心をもたない人たち (草思社文庫)

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他、サイコパス関連で読みたい本

あなたの心を操る隣人たち

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文庫 平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学 (草思社文庫)

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それでは、おやすみなさい。